※私は、外国の方に対して偏見を持っていませんし、否定的な感情も持っていません。コンビニで働く外国の方を見ていても、まじめに丁寧に接客してくださる方も多いので、快く思っています。また、外国人が活躍している介護施設をいくつも知っていますし、その人不足のなかで、外国人に活躍してもらうという戦略も否定しません。
なぜ私は外国人介護人材に反対なのか?
①介護業界の賃金水準を下げるから ②日本人よりお金がかかるから ③手間暇がかかるから
①介護業界の賃金水準が下がる?
これはかなりマクロな視点です。みなさまの施設とは直接的な関係はありません。興味がない方は読み飛ばして、②③へ進んでいただけたらと思います。
介護業界は、もともと賃金水準が低いことが課題になっています。職業を選択する際に、給料が高いか低いかは重要な判断項目になります。もちろん、「やりがい」や「その仕事が好きか」など、他にも判断項目がたくさんありますが、やはり「給料が高いかどうか」は無視できません。
価格と需給バランスには大きな関係があります。需要が増えたり、供給量が減ると、価格は上がる。需要が減ったり、供給量が増えると価格は下がる。給料についても同じことが言えます。働き手が少なければ給料は上がり、働き手が多ければ給料が下がります(注:厳密には給料は下がりませんが、給料が上がらず、固定されます。物の価格は少しずつ上がり、他の業界の給料も少しずつ上がっています。そのため、給料が上がらないというのは、相対的に下がっていることになります)。
給料が上がった身近な例:訪問介護は、一昔前は働き手も多くそれなりの給料でした。しかし、近年では訪問介護で働きたい介護職員が減り、採用が非常に難しくなっています。その結果、現在は訪問介護の時給は高騰し、時給2000円を超える求人も出てきています。
給料が上がらない身近な例:外国人がコンビニで働くのをよく目にするかと思います。地方はまだ少ないですが、都心部では外国人の方が多いくらいです。コンビニは働き手を外国人労働者という手段で確保できているため、給料が高くなりません。どこのエリアも最低賃金に近い時給に設定されています。
つまり、外国人労働者が介護業界で増えることで、業界の給与水準が下がってしまうのです。経営サイドから見たら、人件費が安くなり、人材供給が安定するので良いと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、介護保険制度は報酬改定により売り上げ調整が行われるため、結局苦しさは変わりません。
②日本人よりお金がかかる?
外国人採用の手段により、必要な費用が変わりますが、日本人を採用するより費用がかかる場合がほとんどです。日本人の採用に費用や労力をかけた上で、採用ができないのであれば、外国人の採用も選択肢に入ります。しかし、私が見てきた多くの法人では、それをしっかりとやらずに外国人採用を検討しています。
③手間暇がかかる?
外国人を採用するとなると、これまでの採用方法とは異なる業務が発生します。採用した後も、人材管理をする上で新しい業務が発生しますし、教育方法もこれまでと異なります。今まで日本人の職員しかいなかった場合と比べて、新しい業務が飛躍的に増えてしまうのです。
外国人活躍の前にやるべきこと
コンビニでは、業務が定型化されて教育方法もマニュアル化されているので、外国人の採用も比較的うまくいきます。介護施設においても、業務が定型化されていて、新しい職員でもすぐに業務に就ける状態であるならば、外国人採用がうまくいくかもしれません。しかし、日本人の新人職員でも独り立ちに時間がかかるという施設は、まず外国人採用の前に、教育制度・業務の管理方法から整えることをお勧めします。