入浴介助は1日の介助業務の中でも、特に負担の重い業務だと思います。それを時間通りに実施できるかどうかで、その日1日のスケジュールの余裕が変わるし、何より心のゆとりが全然違う。今日は、入浴業務をスムースに効率的に回す方法についてお伝えいたします。

洗体のスピードは上がらない・・・

早く入浴介助を済まそうと思って、体を洗うスピードを上げようとしても、無理な話です。また、事故につながりかねません。また、衣服の着脱についても同様で、それ自体のスピードを上げることはできません。入浴介助の効率化において大事なことは、「職員が待機している時間を減らすこと」です。

ポイントは、入浴前のトイレ

職員が待機している時間が発生しやすいのが、"入浴前のトイレ待ち"の時間です。お風呂に入っていただく順番はある程度決まっていて、その順番に沿ってご利用者をお風呂に誘導しているかと思います。お風呂に誘導した際に、ご利用者に「トイレに行きたい」と言われ、トイレに行っている間、職員がご利用者を待つという時間が発生しています。この"待つ時間"というのが、一番非効率で、改善の余地があるポイントになります。

現場の運営が上手な施設は、「入浴前のトイレの声かけのタイミング」にこだわっています。利用者ごとに、トイレにどれくらい時間がかかるのか?トイレまで歩く時間や、トイレに入ってからの出るまでの時間を把握し、ちょうど良いタイミングで声をかけます。そして、そのちょうど良いタイミングを職員同士で共有して、10秒でも20秒でも時間を短縮する工夫をしています。この工夫をするだけで、入浴介助全体の時間が10分〜20分くらい短縮されます。

ご利用者を早く歩かそうとしても無理な話ですし、それは虐待です。それと同様に、職員が利用者をせかしながら、利用者が"何か"をやっているのを待つのも、「早くしろ!という無言のプレッシャー」をかけているのと同様です。それも虐待の一種だと思います。だからこそ、早めにトイレの声掛けをして、自分のペースでトイレに行ってもらい、職員が待機している時間を減らすことが、大切です。

利用者は自分の行動を見ていて欲しいわけではない

トイレ誘導の話は、それに限った話ではありません。利用者が何かをしているときに、見守りという名目で職員がそばにいて、"それをただ見ているだけ"という瞬間は多くあります。もちろん転倒リスクがある方の場合は、手を添えるなどして備えなければなりません。しかし、リスクがあるわけでもなく、利用者もそばにいることを求めているわけでもないのに、ただなんとなく"その行動を見ている"というシーンは介護施設では非常に多いです。「利用者の行動をせかすように見守ること」は、利用者にとっても、また業務効率化の面でも、マイナスですので、是非そこを中心に改善を進めていただけたらと思います。